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　遠藤浩輝

　映画的な雰囲気が漂う作品です。あるいは「演劇的」というべきか・・・。
　単に映画や舞台のコピーではなく、それらをマンガという「枠（コマ）」で縛られた２次元空間に、どのように表現すればいいのか、そのあたりをよく研究して、そしてうまく取り込んでいる・・・、そんな感じがします。
　大絶賛されてしまってはいますが、あまりに持ち上げすぎるのもなんだし、と思います。
　とにかく、取り入れたものをキチッと消化して、そして上手に表現へ生かせる、そんな感じの人だと思います。ゆえに、連載中の「EDEN」を通じて、回を重ねる毎に、さらにどんどんと、うまくなっていっている気がします・・・。


■■　作品紹介　■■


「遠藤浩輝作品集」　1巻　(1998)　講談社

　　B6　 　デビュー作を含まない、初期短編集。この短編集だけでも、その力量は充分すぎるくらい感じることは出来ます。
　岩波ホールで映画を見ているような・・・、そんな感じの作品群です。


「EDEN 〜It's an Endless World!〜」　1〜6巻　(1998〜2001)　講談社

　　B6　 　近未来を題材とした、ＳＦアクション作品。迫力は相当なものですが、それ以上に背景設定が細かい。時間軸が前後するところは、ちょっと混乱は招くものの、映画的な手法の一つ。そして、心理描写を、安易な「書き言葉」ではなく、「セリフ」と「場面」で、否応なく表現しているのはさすが・・・。
　特に２巻の＜電子戦＞のイメージは、気が付けば誰でも描けそうでいながら、彼の技量でなければ、絵と場面だけでは緊迫感などは、とうてい表現しきれないでしょう・・・。まさに真骨頂です。


　

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