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　藤田和日郎

　いわゆる少年漫画の「王道」と言えるような作品を、送り続けています。
　特に「うしおととら」の評価は、非常に高い。これだけの巻数がありながら、非常に良くまとまったストーリー、意外性、そして真剣に、真面目に、素直に生きることの素晴らしさを、臆面もなく体現したような作品になっています。そう、大袈裟なくらいがいいんですよね。こういうものは。
　特にラストについても、長い作品ほど、とやかくいわれる事は多いものの、これについては納得な大団円になっていますし・・・。
　現在連載中の作品も、紆余屈折はありますけど、「楽しく魅せる」という面については、未だに変わらず、といったところ。


■■　作品紹介　■■


「うしおととら」　全33巻　（1990〜1996）　小学館

　　新　 　「獣の槍」に釘付けにされた妖怪「とら」を、蔵の地下から出したことから、その妖怪と、そして「獣の槍」とを従え、妖怪退治をする羽目になった元気な少年、「うしお」の物語です。
　とにかく、全ての事象には裏があるといわんばかりの、古代中国からの長い歴史、国家単位での組織までが戦うことになる、壮大なスケールの物語です。数々の妖怪と、異様で巨大な存在である「敵」との戦い、そんな中、人を信じ、友人を信じ、妖怪をも信じて戦う「うしお」の姿は、とてもすがすがしく見えます。
　巻数が多いだけに、ちょっと二の足を踏んでしまいますが、試しに５巻くらい買って読んでみるといいでしょう。その先を読まずにはいられなくなります・・・（バラでも、結構集められます）。


「夜の歌」　全１巻　（1996）　小学館

　　新　 　短編集です。
　のちの「からくりサーカス」の元になったと思われる作品（「からくりの君」という戦国もの。人形が出てきます）や、怪奇ものなどなど、「うしおととら」とはまた少し違ったテイストを楽しめる作品集です。


「うしおととら＜外伝＞」　全１巻　（1997）　小学館

　　新　 　「うしおととら」のその後ではなく、あくまでその途中や、両親の出会いなどを描いた短編集。本人達はあまり出てきませんね。まあ、外伝らしい外伝といえば、そんなところです。


「からくりサーカス」　１〜18巻　（1997〜2001）　小学館

　　新　 　途中で主人公が入れ替わってしまったとゆー作品です（笑）。
　話的に、鳴海よりもマサルを主人公にした方が面白そうだということらしいですが。
　サーカスで出会った少年と、ぬいぐるみの青年、そして不思議な無表情なサーカスの少女・・・。その出会いが、大きな流れとなり、迫力あるアクション・ドラマを作っていきます。


　

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