　神塚ときお

　バイク好きな漫画家というのは、もう表紙とタイトルだけで判っちゃいますが、じつは「なんだそうか」では侮れない作家なんですね。
　特に「お父さんといっしょ!!」と、「ゆめいろの翼」は、登場人物の心理状態とか、そういう部分の描写が丁寧で、そして自然で、どこかメルヘンな部分もありながら、あくまで現実社会に根を下ろした、夢物語でない部分があります。

　いや～、侮れません。ホントにいい作品を描きます。バイク漫画についても、まだ読んでないものも多いですけど、結構期待できそうです。

神珠館
御本人のページです。体調を崩されているようですね。なんかちと心配ですが。
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■■　作品紹介　■■

「ゴ－カイ一家は今日も行く！」　全１巻　（1990）　大日本絵画

「Go! go! セイバーズ」　全１巻　（1991）　バンダイ
	アニメ「バブルガム・クライシス」のコミックス版。バイク漫画家ですから（？）、この手の作品はやっぱし描かせたらGoodです。改めて読んでみると、機械の描画が強調されているわけではなく、ドラマもしっかりしていますね。
「BIKI'S　-バイク漫画作品集1」　全１巻　（1991）　白夜書房

「RUSH　-バイク漫画作品集2」　全１巻　（1991）　白夜書房

「バイキッズ」　全２巻　（1992～1993）　講談社
	バイク好きな少女を描いた、実はパラレルワールドな世界の物語。どのあたりが「パラレル」かといえば、学校の授業で、バイクで棒高跳びしてしまったり、メットなしで走り回ってしまったり。逆にそういう設定が故に、主人公の可愛さがヘルメットに隠れることなく、描かれて居るんですけどね。　この作品の凄さは、もうバイク好きでバイク好きでたまらない人が描いていることが、如実にわかるんです。もう全てから。けれど、その筈なのに、全然バイクが解らない私のような人間にも、実に楽しく語りかけてくるんです。「こんな風に面白いんだよ」というのが、とてもよく伝わってきて、逆に気持ちがいい・・・。　これって、普通のバイク漫画は、スピード感や「走ること」へのこだわりが強いんですけど、この人の場合、「マシンへの愛着」がとても強いため、その「機械に対する愛」のようなものが、憧れとかそういう形での「バイク漫画」よりも、分かり易いんですね・・・。そして気持ちいいです。　特に終了したような感じの終わり方でもないですが（続編見たい気もします）、気持ちよく読める作品です。
「お父さんといっしょ」　全１巻　（1993）　富士見書房
	一変して、バイクの全く出てこない、メルヘンチックな魔法少女のお話です。　魔法少女とは言っても、「おまじない」の延長のような感じの魔法で、日々髪の毛を大事にしないと使えません。そんな制約があるところが成功してまして、さらにお父さんとのコミュニケーションが、非常に繊細に、そして細かく、子供の感性そのままに描かれています・・・。子供の感性を、こんな風に自然に描ける人は、そう多くはないんじゃないでしょうか・・・。
「ゆめいろの翼」　全２巻　（1994～1995）　角川書店
	死んだお姉さんが天使のように羽根をまとい、弟の前に現れます・・・。　よくありそうなお話ですが、少し味付けが違います。まずお姉さんは、基本的には何か特別なことをしてくれるわけではありません。あくまで少年を慰め、自立するために手を貸すだけに留まっています。沢山の個性的な友人とのやり取りを通じ、少しづつ、少しづつ少年は「何か」を掴んでいきます・・・。ゆっくりと、そして「自分の力」で・・・。　いろんな意味で自立し、そして周囲の人々の暖かさを感じながら・・・。
「風駆少女組！」　全４巻　（1996～1997）　角川書店

「Go! go! セイバーズ」　全１巻　（1998）
	1991年版の再版です。