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 須藤真澄


 再版された「アクアリウム」で、どっぷりと浸かってしまいました。こっこんな本を知らなかったなんて、私は何と不幸だったのだろうと・・・。
 どこか子供の頃に見たことのあるような、不思議なメルヘンを描いてくれます。子供の頃と、老人、そして<ねこ>、散歩、小さな冒険・・・。これらの単語で殆どの作品の説明できちゃったりして・・・。

 とにかく、どこかに忘れてきてしまったものを思い出させてくれるような・・・、日常で、ふと見過ごしてしまいそうなことを気づかせてくれるような・・・、そんな作品群です。

 現在も連載作品有り

須藤真澄・おさんぽ王国
 いわずとしれた、御本人のページです。資料もしっかり充実して、本当に飽きさせない作り。いわゆる格好いいとかそういうのとはまったく違う、「須藤色」な楽しいページです。結構「広い町」なので、何はともあれまず交番へ(?)



 作品紹介 

「電氣ブラン」 全1巻 (1985)  東京三世社

  A5  初版はハードカバーの本です。のちに再版されていますので、こちらの方を目にすることが多いでしょう。メルヘンに近い初期の雰囲気のよい作品群が納められています(再版のあとがきは、結構笑えて面白いかも)。


「観光王国」 全1巻 (1989) ふゅーじょんぷろだくと

  A5  短編集です。この初期短編集の中では、結構雰囲気のよい作品が多く、個人的には一押し。ただし、手に入れにくい本ですが・・・(古書店でも滅多にない)。ちょっとシュールな作品もあります。他の作品集にはない傾向の作品も。それが何かまた雰囲気よくて好きです。
(実は、穴埋めの1ページエッセイに、既に「ゆず」が登場していたりします(笑)。


「子午線を歩く人」 全1巻 (1990) ふゅーじょんぷろだくと

  A5  これも、初期のメルヘンタッチの作品を集めた短編集。
 この頃の雰囲気は、ああ独特なものもあり、とてもいい感じです。このあたりがのちの名作、「AQUARIUM」を生む土台になっていったんでしょうね・・・。


「天国島より」 全1巻 (1992) 河出書房新社

  A5  「天国=ぱらいそ」と読みます。仙人の島から、永遠の命にちょっと疑問を持った少女が、何かを求めて人の住む町で働き始める。 何が得られるのか・・・。それは読んでからのお楽しみ。
 この巻にて、「ゆず」がデビュー!


「振り袖いちま」 1〜2巻 (1993〜1994) 偕成社

  A5  実はまだ未収録分があるようです。
 いきなりしゃべるわ、人間に化けるわの市松人形が大活躍する(?)、どこかノスタルジックでドタバタが絶えない物語り。
 しかし・・・主人公(?)の少女は、やられっぱなしで可哀想ですね。ちゃんと完結させて欲しいなあ(未収録分がいくらか有ります)。


「ゆず」 全1巻 (1993) 秋田書店

  A5  猫好きが猫好きのために贈る、愛と苦悩の(?)交流記録!・・・・なのかな?
 とにかく描いていいよと言われれば、全集まで作ってしまいそうな程、「ゆず」を愛してしまった作者の、闘いの日々(?)が描かれた怪作です。
 


「ナナカド町綺譚」 全1巻 (1994) 小学館

  B6  B6版のPFコミックですので、探すときは注意しませう。
 星というかモミジ型というか、そういうヒトデのような形をした変な町の、尖った角を探検し、不思議な体験をするというお話です。当然オムニバス形式。「ごきんじょ冒険隊」の雰囲気に、どことなく通ずるものもあります。


「アクアリウム」 全1巻 (1994) 新声社

  A5  読んだ人の95%までが、「いい!」と頷く・・・と思う、須藤真澄の代表作と言っても過言ではないでしょう。
 魚達との不思議な交流と、幻想的な雰囲気、主人公である少女の、赤ん坊から主婦になるまでを描いたこの大河ドラマは、本当に読む人々を感動させてくれます・・・。
 マンガ嫌いで、何一つ読んだことのないうちの母親が、初めて1冊読破して、「これいいね」と言わしめた(?)、ほんとうに雰囲気のいい作品です。
 1998年に復刊され、夏に映画化されるので、その前に御一読を・・・・。絶対に期待は裏切りません!


「ゆずとまま」 全1巻 (1996) 竹書房

  A5  「ゆず」の続編と言ってもいいでしょうか。ちょっと切り口は変えてありますが、おおよその傾向は同じだと思っていいでしょう。


「じーばーそだち」 全1巻 (1997) 秋田書店

  A5  下町の雰囲気を、じじくさく、ばばくさい少女達の目から描いた、人情物語といってもいいでしょうか。実に「下町」がよく描かれた4コママンガです。
 随所にちりばめられた、「下町の常識」が、別に住んでいたわけでもないのに、妙な懐かしさと、暖かい楽しさを感じさせてくれます。


「ごきんじょ冒険隊」 全1巻 (1997) 竹書房

  A5  不思議な回覧板を持って、近所なのに知らないトワイライトスポット(?)を体験し、何かを少しづつ感じていく子どもたちが、とってもいいですね。
 そう、気がつかないだけで、不思議なことや面白い事って、身の回りに溢れんばかりにあるんですよね・・・。それを気づかせてくれるお話かもしれません。 


「おさんぽ大王」 1〜5巻 (1998〜2001) エンターブレイン

  A5  自称「おさんぽ大王」を自称する、須藤氏の、気まぐれお散歩大エッセイ!
 エッセイマンガも色々ありますが、これはとにかく楽しいですね。ホントに一緒になって「お散歩」している気になってきます。
 ネタ出しは苦しいようですけど、それでもしっかりページは埋めてしまう所がプロ??


「金魚銀魚」 全1巻 (1999) アスペクト

  A5 


「どんぐりくん」 1巻 (1999) 竹書房

  A5 


「観光王国」 全1巻 (1999) アスペクト

  A5 


「子午線を歩く人」 全1巻 (1999) アスペクト

  A5 


「てぬのほそみち」 全1巻 (1999) 白泉社

  A5 


「ますびえ -須藤真澄画集-」 全1巻 (2000) アスペクト

  B5 


「アクアリウム」 全1巻 (2000) 秋田書店

  A5 
 


「ゆず」 全1巻 (2000) 秋田書店

  BUN  ゆずシリーズをまとめた文庫版。未収録も1編あり。
 


「ナナカド町綺譚」 全1巻 (1994) 秋田書店

  B6  再版


「あゆみ」 全1巻 (2001) エンターブレイン

  A5 


 

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