TOP PAGE　Contents　What's NEW　COMICS LIST　LINK　SEARCH　RENSAI　TOPICS　TORI　BACK
NEW COMICS　PEN NAME　TAN-Q　BAZAAR　Oldbook Shop　Comics BBS　Q&A BBS　OldbooK BBS

　須藤真澄といえば、「ゆず」を代表とするネコマンガ、「じーばーそだち」などのお年寄りと子供が出てくる作品、そして「おさんぽ大王」のような、エッセイ風の作品が最近多いですが、初期の頃のメルヘンタッチの作品は、なかなか雰囲気があって良いです（手に入れにくいですが・・・）。

　この作品は、そのファンタジー的で、メルヘンな作品の中でも、代表作と言って良いでしょう。

　この作品の一つのポイントは、まず少女の赤ん坊時代から、主婦になるまで、年齢を追ってオムニバス形式でストーリーが作られているということです。ほとんど大河ドラマです。
　絵の好きな（最終的にイラストレーターになる）おばさん（まあお姉さんくらいな感じ）も、少女と一緒にいるときだけ、魚達＝"水の中の人”・・・（魚が擬人化されたイメージ）の世界に入っていけます・・・。
　その雰囲気は、とても幻想的です。"水の中の人"自体、特に細かく説明はされません。おじいさんだったり少年だったり、少女だったり、魚ごとにイメージがありますが、統一的なものもないのです。そして、子供であれば、実は誰でもお話をしていて、次第に大きくなるにつれて、その方法や会話の仕方、そして記憶を忘れていく・・・という事なんだそうですが・・・。

　しかし、あくまでもこれらは、「日常の中の一つの出来事」として描かれ、能力自体が特別視される事はありません（アルバイト先の水族館では重宝されますけど）。なんかCIAとか介入してきちゃいそうですけど、そんなことはありません。そう、実は「特別な能力」などではないのです・・・。

　赤ん坊から小学校を出て、水族館でのアルバイト、そして結婚・・・。そんな時間の流れを、１冊の本の中に織り込んであります。年齢による感受性の違い、それらを描き分け、幾つかの別れや出会いを、日常の光景を織りまぜながら描かれていきます・・・。

　映画化され、多少知名度も上がりましたが、テレビなどでの紹介は余りされていないようなので、どれだけの人が御存じなのかな？

　原作であるこのコミックスは、感動というよりも、読んで、＜とても気持ち良くなる＞１冊です。


■関連ホームページ

• 須藤真澄のページ　・・・当サイトのコンテンツ
• 須藤真澄・おさんぽ王国　・・・作者御本人の、楽しいホームページです。本の表紙画像なども見ることが出来ます。

戻る

1998/10/02
by WestRiver