コミックドラゴン 2000年02月号
| ------------------------------------------------------------ コミックドラゴン 2000年02月号 （1月9日発売） 富士見書房(650円) ------------------------------------------------------------ |
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| 作者名 | 作品名 | 備考 |
| 館尾冽 | フルメタル・パニック | 原作：賀東招二 |
| 大森葵 | PHANTOM WIZARD | |
| いのうえ空 | リアルバウトハイスクール | 雑賀礼史原作 |
| 伊藤勢 | モンスターコレクション 番外編 | |
| 森山大輔 | クロノクルセイド | |
| 奥田ひとし | 陰陽探偵少女遊RANTO☆魔承録 | あかほりさとる原作 |
| 天王寺きつね | オルフィーナ | |
| OKAMA | CAT'S WORLD | 新連載 |
| 伊藤洋行 | クォーターゼロ | |
| 紗夢猫 | FARCE！ちゃん | |
| 下条達也 | はみ出し空隊ＳＯＳ | 読みきり |
| 花屋敷ぼたん | ＸＹＺ -仮想空間のパンドラ- | |
| 奥田ひとし | 天地無用！魎皇鬼 | |
| 倉上淳士 | ハグアル 〜翼持つ王〜 | |
| [次号掲載予定] |
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| 伊藤勢 | ドラゴンロアーズ | あの怪作が読み 切りで帰ってきた！ |
[次号最終回] |
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| 倉上淳士 | ハグアル 〜翼持つ王〜 | |
| ■最初に触れておきますけど、あの短期集中連載で最初に掲載された、伊藤勢「ドラゴンロアーズ」が、読み切りで帰ってきます！ とにかく「モンコレ」なんかのノリとは次元の違う、畳みかけるようなドタバタ活劇が、はてしてどういう風に読みきりで登場するのか・・・？ これは非常に前向きに見て、＜単行本化＞の為のページ合わせではないかと思うもんで、そういう意味でも、やっとまたあの無茶苦茶ぶりに出会えるかと思うと、ちょっと楽しみ。 ■新連載「フルメタル・パニック」。聞いていた話よりは殺伐としてなくて（どこが（爆））、まあ順調な滑り出しではないでしょうか。掴みはだいたいO.Kだとは思うんですが、キャラクターをやたら出しすぎて、沈没しないように注意した方がいいかと・・・（正直、まだ主人公である宗介のキャラが、立ってるとは言い難い所があります。ヒロインの方が主人公なのかな・・・？この場合は。その路線であればいいんですけど、やはり主役はこの戦争バカだとすれば、ちょっとまだ弱めかも。どこといわれると困るんですが、何となく・・・）。 ■「PHANTOM WIZARD」。前回の違和感に比べると、今回のはぐっとスケールが大きくなって、違和感すっ飛んだです。そうか、彼女の役割はちゃんとあったんですね・・・。なんかぐっと面白くなってきそうな予感（いままで押さえ気味で来ただけに）。 ■「リアルバウトハイスクール」。今ひとつ盛り上がりに欠けるんですけど、どうでしょう？ どうもヒロインの使い方というか、性格が掴みにくくて、今ひとつ行動がちぐはぐに思えてしまうんですが・・・（つまり、キャラが立っていないと言うことになるのかもしれません）。なんか、周りの出来事に合わせて行動しているような、そんな雰囲気でしょうか。周りを引っかき回すくらいの行動力がないと、ちょっとなあ、という感じなんですけど・・・。 ■「モンスターコレクション」番外編。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やってくれますね。いやなんか危ないかも・・・とか思いながら、いやまさかああいうネタで落とすとは・・・。いやまあ気持ちよければ・・・けど「見るな」って言って、見えるもんでもないというか、見えちゃってるもんだし、いやねーもう。 ■「クロノクルセイド」。どういう事になるのかと思えば、なかなか面白いシチュエーションというか、予想も付かない展開で来ましたね。そして見事に「昇華」するといった感じの、なんか気持ちのいい展開。しかし、第一次世界大戦後の世界で、あんな装置あっていいんかい・・・？ けど心の中の描写が、結構凄かったというか、いいイメージで描かれてました。やっぱ目が離せない・・・。 ■「陰陽探偵少女遊RANTO☆魔承録」。なんか、戦いがだんだんエスカレートしていくというか、際限なく巨大化しておりますが、これ外伝とか過去のお話とか、もうそんな次元超越しておりますが（汗）。とゆーか、もうここまで来たら、あとは終わるしかないんじゃないか？？ というくらい、異様にスケールでかくなっていますけど・・・。とりあえず決着は付きそうですけど。一応、単行本１巻分というまとまりなんでしょうね。これで。 このあと、このスケールとテンションで続けられるのか？ そこが逆に心配。 ■「オルフィーナ」。地道に枝葉の話をまとめていく力量、ただ感慨深いばかりですが・・・。まあ、暫くは休載なく連載してくれるんだろうと思うんですけど、大丈夫ですよね？（間が空くと、ちょっとこれだけゆっくりした話だと、どうしても「なんか随分長いことやってる」ような印象受けてしまうもので。７巻も、間にかなり休載が入ったので、連載として読むのは辛かった）。 ■「CAT'S WORLD」。フルＣＧで描いているせいかもしれませんが、線などはかなり荒っぽく見えてしまいます。そこは残念なものの・・・（いや、かなり残念です。正直言えば）。けど、このキャピキャピとしたノリは、なかなか楽しいというか、やっぱ好きかも（笑）。こういうのは、下手に描くと野暮ったくなるものですが、OKAMAが描くと、絵柄のデフォルメや描画の雰囲気が合っているのか、なかなかいい感じ。さらに、今までのＯＫＡＭＡ作品にない＜迫力＞がありますから、そこも面白いところです。これだけのテンションで描くんだから、短期集中連載なんて言わないで、４〜６巻くらいは描いて欲しい気がしますが、それは無理でしょうかね？ ■「クォーターゼロ」。とりあえず役者は揃ったという感じはするんですが、ちょっと展開が急な気が・・・？ もしかして、これまたうち切る気ではないでしょうね？ ちょっと物語的には、幅があまり出てない気はするんですが、あまり中途半端に終わらせ過ぎないようにしてほしいもの（最近、ちょっと打ち切りが多すぎる気がする・・・）。まあ、憂慮ならいいんですけど。 ■「FARCE！ちゃん」。結構ベタなネタと、ベタなオチ。う〜ん・・・・・・・。ギャグマンガに成り下がっている・・・。いくらギャグがないからって、既存作品でギャグやらせ続けるのも、ちょっと無理がないでしょうか？ やっぱ、箸休めに「うりゃ！」というような、強力なギャグか四コマが欲しいです・・・。永井朋裕〜（ってまだ言ってますが、なんかシリアス系で忙しいみたいですし、あの打ち切りは本人の意思もあったみたいなので、仕方のないところか）。 ■「はみ出し空隊ＳＯＳ」。２作品同時掲載です。この方、上手なんですけど、使い方間違ってる気がします・・・。ショートのコメディーorギャグっぽい作品、まとめるのは上手な方だと思います。今回のも及第点はあげられると思うんですが、「パンチ」がない。というか、無難にまとめちゃってるんですね。話にも抑揚がないというか、ある一定のテンションで、最初から最後まで行ってしまう感じでしょうか。 本来なら、もう少しページ数があれば起承転結というか、山場が作れると思うんですけど、山場らしいものがないんですよね。この連作・・・。まあギャグといえばそれまでなんですけど、コメディーであるならば、もうちょいドンっと来るものがないと、今ひとつインパクトに欠けるというか、「下条達也」という名前が頭に残らないのではないかと・・・。充分巧いのに、なぜか不完全燃焼のような印象を受けるのは、何ででしょう？？（長編描けばいいかというと、今まで掲載された中編作品見てて、微妙なところかなぁ、という感じでしょうか。今回の短編というかシリーズよりは良かったかと思うんですが）。 ■「ＸＹＺ -仮想空間のパンドラ-」。裏設定がだんだん明らかになってきて、さらにヒロインのアタックが露骨になってきて、そういう部分でなかなか面白くなってきました。最初はなんか「掴みはO.K」みたいな始まり方だったので、なんともかな、という気がしてたんですけど、露出をかえって押さえ気味にしたところで、ちょっと面白くなってきたような気がします。まあ、様子見でしょうね。 ■「天地無用！魎皇鬼」。今回のストーリーは、面白くなるんかいな？ と、ちょっと勘ぐっていたんですが、なかなかどうして、面白くなってきましたな。やっぱこの人、話作りがうまいです・・・。 ■「ハグアル 〜翼持つ王〜」。・・・・・・見事玉砕ですか。正直に言うと、「これから面白くなりそう」という期待が結構あったんですけど、どうも読者からそっぽ向かれたかも・・・。というのも、露骨に「サービスカット」を、「サービスカットでーす！」てな感じで入れてきたもんで、「馬鹿にしてんのか」とか思われたんじゃないかと。「ＸＹＺ」は、そのせいかどうか解りませんが、押さえ気味にしていましたが、こっちは同時期に始まって、そういうシーンになると（というか、唐突にそういうシーンが挿入されるし）、「ポン」と３段抜きくらいで裸体になったりして、かなり露骨すぎた面があります。そもそも雑誌の雰囲気にあまり合ってなかった・・・（裸が出るのは別に嬉しいんですけど（こらこら）。 それ以上に、戦略的な失敗だったのは、あれだけ引っぱってきて（といういか、そもそも引っぱりすぎなんですけど）、出てきた「鳥人」が、「手が翼竜みたいになっている人」という、拍子抜けするような”普通の（？）”キャラだったので、一気に引いちゃったんですよね・・・。元々あれを出すのであれば、最初の方で秘密にしすぎず、シルエットから何から、もっとオープンにしていた方が良かったんではないでしょか？ エヴァみたいに伏線を張ろうと思っても、あのネタでは新鮮みも何も無いですよう。そういう意味で、物語の構成と見せ方に、戦略的な失敗があったと思うのですけど、いかがなものか？ うまく作れば、この材料でも充分面白く作れたと思うんですが、調理の仕方に失敗したのかな〜・・・。じゃあおまえが作れと言われると困っちゃいますが・・・。 ■■■ ちょっと不安なんですが、看板的な連載は、そこそこコンスタントに続いているわけですけど、脇を固める作品の弱さが、つとに目につき始めました。というか、単行本にもならない「短期集中連載」にちかい作品が、なんか多くありませんか？？ これは非常に不味いと思います。 コミドラのような雑誌の場合、雑誌自体も売れた方がいいものの、単行本の売れ行きで、そこそこ収支がトントンになるんではないかと思うんです。が、その単行本が「売れる」ような、中長期連載が、あまりない。短期集中はいいんですけど、それは雑誌の売り上げに多少貢献しても、収支には繋がらないでしょう。それ以上に、月刊誌＝年間12本という限られた紙面を、単行本にもならない作品で埋める、しかも最初からそうなのではなく、「人気がないから途中で止める＝打ち切り」というような、「戦略的な大失敗」を多く繰り返しているのは、非常に不味い状況だと思うんですけど・・・。少なくとも、もう少し中・長期連載に繋げて、簡単に切らないようにしないと、雑誌読者がだんだん減って行くんじゃないかな〜と思うんですが（広江礼威さんも、あれもの凄く勿体なかった・・・。というか、もうちょい長く連載して欲しかったんですけど、駄目なんですかね？ あれはあれで無理矢理上手にまとめてましたが、あと１巻分あったら、少なくとももっと単行本は売れてましたよ。あのレベルであったら。今度ガムで描いたら、結構売れますよ。あの人・・・）。 なんか勿体ないことをしてるなというか、「美味しいお菓子を食い散らかしてる」ように見えて、ちょっと不安な感じがします。腰据えてやってほしい・・・。 ストーリーものは、最低でも単行本２冊分以上ないと、かなり辛いと思うんですが、どうでしょ？ |
